古いガラケーのデータをサルベージする
8月13日頃のこと。
iPhoneに乗り換える前の最後に使っていたガラケーは、オフロードバイクで轍から転落した際に身体の上にバイクが降ってきた時の衝撃で、電源は入っているみたいだけど画面がつかなくなっていた。それ以前に使っていたガラケーに入っている写真は、確認してみたところ多分全部PCに入っているみたいだった。つまり最後のガラケーのみで撮影した写真のみがガラケー本体だけに入ったままなのだ。
当時、どうにかならないかと思って画面がつかない状態で、勘だけでSDカードに避難させようとしたがやっぱり無理だった。そしてそのまま放置してもう10年ほど経過。なぜかこのタイミングでデータが完全に飛ぶ前にサルベージできないかと思い立った時の記録である。
とりあえず2021/07/27にauショップに行ってみたが、画面が映らないと対応不可との事だった。画面が映る機種は1台に付き1つのSDカードを用意すればデータを移してくれると仏頂面の女性店員が教えてくれた。因みに今現在、手元にある機種は以下のもの。
- SONY Ericsson W42S
- PANTECH A1405PT
- SONY Ericsson A1402S
- TOSHIBA W62T(これの画面がつかない)
確かガラケー時代は機種変更する際に中のデータを引き継いでいてくれた気がするし、前述のとおりデータフォルダを見ても写真はPCに移しきれていると思われる。今みたいに画質も良くないしカメラの起動も遅いからかあまり写真自体あまり入っていなかった。なので画面のついている機種はauショップでデータを移してもらう必要も無さそうだ。問題は画面のつかなくなったauショップでも対応してもらえないTOSHIBA W62Tのみである。
調べてみるとガラケーのデータを救出してくれる業者が見つかったものの、25,000円以上する模様。流石にこれは高いなと思って自分でなんとかできる方法を考えたところ、もう一個TOSHIBA W62Tを用意して画面をつなげてニコイチにする方法を思いついた。電源が入るのだから壊れているのは画面だけなのではないかと思ったからだ。しかし機種も古いので調べても同じことをしている情報は見つからなかったが、果たしてそんな事ができるのだろうか。
とりあえず2台目を用意する前にそもそもニコイチにできるのかを確認する必要がある。このままではゴミでしか無いので思い切って開腹してみることにした。あらゆる隙間にマイナスドライバーを差し込んで無理やりこじ開けた。
ケースを付けるのが主流となったスマホには見られない、この使い込んだ傷が良い感じ。特に気に入った機種ではなかったけど。
無理やりやったので割れた。
本当に無理やり引っ剥がしていった。
OSが入っていると思われる基盤と画面とつながっている線を取り外すことに成功した。とりあえず分離は可能だとわかったので、次にオークションで画面のつくTOSHIBA W62Tを落札した。2,000円くらいして微妙に高かった。
届いた元気なTOSHIBA W62T。こんな起動画面だったな〜と思いに耽る。
ひとしきり思い出に耽ったので分解である。1台目で構造がわかったので、今度は無理やりではなく実は存在していたネジを外して丁寧に分解していく。まずはこの四角い部分をピンセットでほじる。
すると四角い蓋が取れてネジが露出するので外す。特殊な形状のネジだけどMac miniやスマホを分解するときのドライバーがあれば大丈夫だった。
「3.2MEGA PIXELS」など書かれているプラパーツも剥がすとネジが現れる。だいたい剥がせる部分はよく見ると小さい穴がある。
めちゃくちゃ綺麗に分解することができた。1台目はメキメキのグチャグチャだったのに。
ほら、ボディも無傷だよ。
これが1台目。
これも1台目。
これも1台目。交通事故にでもあったのかな?無惨としか言いようがない姿である。
次に2台目(新しい)のデータが入っている基盤を取って、代わりに1台目(写真が入っている)の基盤を載せて再度組み直した。これでデータは1台目だけど画面だけ新しい状態だ。これでつくはず。
でもつかなかった。 結構頑張ったので絶望した。
原因を考えてもよくわからない。だって電源は入るのに画面がつかないのなら、画面を新しいものにしたら直るハズじゃないか。でもまた電源は入るのに画面はつかない。
「正」と書いているのが1代目の基盤。
逆に1台目の画面+2台目の基盤の組み合わせだと問題なく起動した。やっぱり1台目の画面ではなく基盤がおかしいらしい。
2台目の基盤なので当然データは入っていない状態。
とりあえず接点復活剤を1台目の基盤に吹きかけてみた。
でもやっぱり直らなかった。画面が問題でもなく、接点が甘くなっているのでもない。では1台目の基盤にあるGPU的な部分(画面に映す)が悪くなっている可能性はないだろうか?物理的に確かめる術はないのだけど。
どうにかGPU的な部分にアプローチできないかと頭を捻ったところ、以前調子の悪いMac miniのボードを焼いたことを思い出した。恐らく画面がつかないのは衝撃でGPU的な部分の内部の接触が悪くなっていてもう一度熱を加えることで元に戻って起動するのではないかという仮説である。
その時の記事:GPUは焼けば良い(らしい)
※因みにMac miniで試した時は失敗に終わっている。
もう既に投げやりになっている感があったので、会社のヒートガンで時間も測らずに1台目の基盤を熱した。プラパーツが焼ける臭いがした時点で温めは終了。上の写真は温めすぎたせいでプラでできたカメラ部分が死んでしまった様子。
温めていない2台目のカメラとの比較。ただ壊れただけなのでわざわざ比較する意味は無いのになぜ撮影したのだろう?
SIMカードのスロットも溶けて開閉できなくなってしまった。
カメラとSIMがなくても起動はできるはずだと、1台目の基盤+2台目の画面で組んでみたが、基盤のプラパーツの変形でボディが上手くしまらなくなってしまった。まあ閉まらなくても線は繋がっているので問題ない。
しかしつかなかった。
こうしてヒートガンの熱による記憶領域へのダメージで、当初よりデータの喪失の可能性がより高まった状態でサルベージ作戦は失敗に終わった。まあカメラで撮影しすぎると脳に記憶されにくくなるっていうし、サルベージした思い出は残ったから良しとしよう。
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