Nagi Peaks Tough Trail Challenge 2023(32km)
岡山県奈義町で行われたNagi Peaks Tough Trail Challenge 2023(通称:那岐ピークス)のミドルコース(32km)の部に参加した。
6/3:岡山へ
左足のお尻と大腿直筋の痛みがあり、やや引いたと思ってランニングするとまたぶり返うを繰り返しており、前日になっても痛みは引かず、左足を引きずるようにして歩いていた。走っている内に治りそうな感じもあるので、明日良くなってる可能性もあるので欠場はせずとりあえず向かうことにした。
今回、エントリーしたのが遅く、集合場所の奈義中央公園津山市の近くの宿泊施設は埋まってしまっていた。車まで30分ほど離れた津山市にはホテルが沢山あるようだが、朝起きれるかどうかが心配だったため、ポツンと一軒だけある作州武蔵温泉 ホテル作州武蔵に宿泊した。周りは田んぼに囲まれているゴルフ場もついているホテルだった。因みに岡山での宿泊は初めて。
部屋は昭和レトロな感じで好きな感じ。喫煙可の部屋しか取れなかったのだけど、特に臭いもなくていい感じ。それに窓から那岐山が見える。
夕飯は地元のものが食べたいと思って宿泊時に付けていなかったので、フロントで聞いてみたところ、ホテル周辺にはレストランは無いので20分くらいに車を走らせないといけないとの事。しかし明日は早起きしないといけないので、寝る時間を削ってまで遠くまで行きたくはない。一応Google Mapで調べると、車で5分くらいのところにお好み焼き屋があったので向かった。なんだ、あるじゃん。
こっちも閉まってた。
更に車を走らせ、三度目の正直でようやくご飯屋さんに入る事ができた。料理を待っている間、なんか見た事あるなぁと感じてボンヤリ記憶を辿っていると、何年か前にドライブで友達と岡山に来た時に立ち寄った店だった。
6/4:レース当日
前日は準備をして22時くらいに就寝し、5時すぎに起床できた。
アドレナリンが出ているのだろうか、前日まで痛かったお尻の痛みが奇跡的に引いているし、緊張で下しがちなお腹の調子もまあまあ。普段の練習ではテーピングは貼らないので(痛みがあればそもそも練習中止)、ネットで調べて見様見真似で太ももとお尻にテーピングを貼った。時間は余裕をもったつもりだったが、準備している内にギリギリの時間になってしまった。どうして朝の時間は過ぎるのが早いのだろう。
車でスタート会場の那岐中央公園へ。朝起きた時は息が白くなるくらい寒かったが、次第に気温も上がってきたので、ロンTか半袖か迷ってTシャツにしておいて良かった。後ろに見える那岐山が思ってたより遥かに大きくて感動したのと同時に、あれを走るのか…と少し不安になる。レース前は周りが全員、百戦錬磨の屈強なランナーに見えて仕方ない。雰囲気に飲まれてペースを乱されないように、マイペースに頑張ろう。
ラジオDJのノリノリな司会進行でスタート!直後は緩い登り基調のロードが4kmほど。水だけで2.5L背負っているのもあり、どんどん抜かされていくが気にしない。高低差のある那岐山まではペース抑えめにして、それ以降はなるべくスピードを出して走り切る予定だ。しかし意外とこのロードが長く、登りがキツい箇所もあったので、トレイルに入る前からこの調子で大丈夫かな、と少々不安になっていた。
今回、水は効率よく体内に吸収するため、すべて経口補水液パウダーを混ぜておいた。それをハイドレーション 2L、ソフトフラスコ 500mlに入れている。先日、練習で比良山を走った際に、4Lも水を消費してしまったので、自分なりの水切れ対策である。
ようやくトレイルに入ったところ。気持ち良い道だ。登りの傾斜も練習で走った比良山に比べると緩め。
工事中の道を走ったがとても見晴らしが良かったので手を広げて走った。
第1エイド。ザックの中のハイドレーションはまだ半分くらいありそうだったので補給せず(出して仕舞うのが大変)、500mlのボトルにだけ水を補給してすぐに出発。
飛び込みたいがレース中である。
次第に視界が開けてきて、那岐山山頂へ到着。
アフロのカツラを被ったスタッフの方に撮影してもらった。
レース前の下調べで、前回大会のレポを読んでいたのだけど、その日はガスってて景色が全然見えなかったと書いてあった。そのため那岐山にはどんな景色が待っているんだろうなと思っていた時にこの稜線が現れた。この稜線を見た時は凄い開放感で「ヤバイヤバイスゲースゲー」しか言ってなかったと思う。とにかくめちゃくちゃ綺麗だった。
稜線に出たり森に入ったりしながら次のエイドを目指す。この区間が結構長くて、登りも急にキツくなり次第に足も疲れが溜まってきて、ところどころ立ち止まらないと進めないくらいだった。那岐山までは余裕だな〜、と思っていたのが情けない。こういう時は同じペースの人と「ここキツいっすね〜」なんて言いながら進むしか無い。
行動食は取っていたが、第2エイドに着く頃にはお腹がペコペコになっていた。エイドが遠かったのもあって、水の残量もギリギリで結構焦る。とにかくカロリーを接種したかったところ、いい感じの和菓子があったのでボランティアのおばちゃんと話しながら3つ食べた。食べ終わってからテーブルの前に「1人1個」と書いてあるのに気がついてしまった。誠にごめんなさい。その場で言ってほしかったが、注意し辛いよね。今度から気をつけよう。
因みにおばちゃんが言っていたのだけど、この食べすぎてしまった和菓子は「旬菓匠くらや」のもの。旬菓匠くらやはB’z稲葉さんの兄が経営する和菓子店だそうだ。
エイドを出発すると最後の登り。エイドで多少体力が回復したかと思ったが、そうでもなく、足はめちゃくちゃ重い。立ち止まりながらもなんとか登り切り、あとは下ってロードを数キロ走ればゴールということろまできた。その安堵感からか倒木を飛び越えて着地の際に右足をグネってしまった。
グネった瞬間、別に木の枝を踏んだわけでも無いのに「バキッ!」と聞こえて、それが足首から聞こえた音だと気がついた瞬間はかなり焦った。立ち止まって息を整えつつ足首を回してみると、派手にグネった衝撃的な痛みはあるものの、靭帯的な痛みは無くまだ走れそうだったので、テーピングは持っているがまだ巻かなかった。集中力も切れて来ているので、とにかく足元に注意して下っていこうと思い先を急ぐ。次第に傾斜がキツくなっていくが、踏ん張っても痛みはなさそうで良かったーーーー。というタイミングでまた「グキッ!」とやってしまった。
2度目のグネりは1度目のような音はなかったものの、かなり痛みがあった。これは流石にアカンなと判断してその場に座り込んでテーピングで足首を固めた。足首にテーピングを巻くのは初めてで、携帯していた説明書を見ながら巻いた。巻いている内に後続のランナーに抜かれていくが仕方ない。「大丈夫ですか?」と声を掛けてもらって「あはは大丈夫です〜」なんて答えていたが、初めて山で怪我をして座り込んでいるので、少し焦っていたと思う。巻いている内に痛みは引いてきたので、そこまで大事ではないと自分に言い聞かして再スタート。
テーピング効果か、グラグラしていた足首が安定し、下りで何名か抜き返して最後のロードに到着した時は、下山できた事にホッとした。
ボランティアでもない、地元の農作業をされている方々からも声援を送ってもらって嬉しかった。残り3,4キロのため、最後のエイドは寄らず、写真のような風景の道を走る。ゴールは小高い丘の上にあるので、ゴールまでの1kmくらは登り基調。元気なら走れるくらいの坂道がいやらしく続く。それでも前を走る選手がいると意地でも抜かしたくて、パワーウォークと走りの繰り返し。ゼェハァゼェハァ言いながらゴールのある公園に入った時は嬉しかった。
ゴール!怪我をしたものの32km走り切る事ができた。
ゴールして手荷物を受け取っていると、丁度表彰式が行われていて、下家悟選手など雑誌やテレビで見たことある選手を見れてラッキーだった。今大会ではゲストランナーとして山本健一さん(通称ヤマケンさん)が参加されていて、表彰式で贈呈する役をされていたので、表彰式が終わるのを待って、わざわざ持ってきていたDVDにサインしてもらった。「気楽に楽しく走るのが良いですよ」と仰っていたのが印象的だった。ヤマケンさんは表彰式後、すぐに帰宅されたので本当にタイミングが良かった。ありがとうございました!
その後、駐車場まで戻るバスを待っている間、話しかけてきたオジサンと話していると、なんとUTMBの100mile完走された方だった。その人が言うには今回の那岐ピークスはかなりキツめのコースなので、完走できたのであれば、他のレースならもっと距離はしれるよ、的なことを言われてなんだか自信になった。なおバスは時刻表も無くて30分くらい待った。
駐車場に降り立つと、足首が急に痛みだし、引きずるようにしか歩けなくなった。一歩ごとに痛む。ゴール地点なら救護があったのにタイミングが悪い。
とりあえず全身から塩が吹き出ているので温泉に入りたい。途中で薬局で固定用のテーピング購入し湯郷 鷺温泉館へ。何も調べずに鷺温泉館にきたが、この辺りは温泉街のようで、静かで良い雰囲気だった。湯船の中で恐る恐る足首を回してみるが、やっぱり痛い。パンパンには腫れていないので、骨折では無さそうだけど。
入浴後にテーピングを巻いてガッチリ固定してから、すぐ隣にあった小正寿司さんへ行ってみた。熟年夫婦に挟まれてカウンターに座り、左隣の夫婦の会話を聞きながら寿司を食う。どうやらカウンターに座っている夫婦は毎年来ているらしい。大将は職人さんって感じの小難しいような第一印象だったが、注文を聞いてくれる時はクシャッとした笑顔を見せる可愛い大将だった。そして寿司が全部美味い。
たらふく食べたら、眠くならない内に運転して京都へ帰る。途中のSAでトイレに行った時は、捻挫じゃなくて骨折かも?と思うくらい痛みが酷く、2,3歩歩いて痛みが引くのを待ってからまた歩くといった具合。不幸中の幸いで車の運転の動作では痛みはなかったので、なんとか23時頃に実家に到着し、FIAT500に乗り換えて京都市内の自宅まで帰宅した。
翌日は登山用のストックをつきながら出社した。段差でどうしても痛むので辛かった。今にして思うと、捻挫したのだから直ぐにアイシングしないといけなかったのに、逆に温泉で温めてしまった事で、余計悪化してしまったのだと思うが、気づくのがかなり遅い。
この痛みは2週間ほどでランニング出来るまでに回復したが、この記事を書いている1ヶ月立った今でも、外側に伸ばすとまだ突っ張る感じが残っている。これからトレランをする際は捻挫予防のテーピングを巻いてから走るようにしようと思う。
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