ビビりながらも石鎚山へ登頂
2022/09/23、2022/10/08-2022/10/10のこと。
9/23
連休に愛媛県の石鎚山、徳島県の剣山という共に百名山の山にソロで登ろうと計画し、2022/09/23に出発した。宝塚北SA直前にFIAT500の調子が悪くなり、3速に入れると抜けて空回り。2速と4速でやり過ごしてSAへ入り、オートマイスターへ電話で相談して暫く悩んだ末、「このまま放っておいても良くなることはない」と思って遠征は呆気なく中止となった。
周りは連休で楽しそうな人たちばかり。僕は連休の予定がパーになって笑うしかない。
とりあえず昼飯で一呼吸おいてみるが、やりきれない気持ちは収まらない。せめて近くに登れる山はないかな?と、食事をした店からすぐの山に登ってみたが、15分で山頂についてしまった。これは登山ではない、散歩である。
その後、帰宅中にFIAT500はどんどん不調に向かい、疑念から確信へと変わった。帰宅せずにそのままオートマイスターへ預けて、ザックを背負って電車で帰宅。何やってるんだろう…。
それからその週の内にミッションがOHされ、しっかり組み上がったのだけど、別の車に乗っているようにフィーリングが変わってびっくりした。
10/8
時は流れて10/8。また3連休があったので、今度は実家の軽自動車で行く事にした。壊れる恐れのない現代車、スバラシイ。この日は愛媛入して道の駅で温泉に入って車中泊。
10/9
そして翌10/09。
朝ごはんは適当に車の中で済ました。登山の朝はおにぎりを3つ食べるようにしているのだけど、味噌汁も飲むと食べやすいという当たり前の事に最近気がついた。
登山口まで来ると、早朝にも関わらず既にたくさんの車が止まっていた。さっさと準備をする。山中で静かなんだけど、ザーという川の音と周りの人が準備をしている音しか聞こえない。
石鎚山は途中までロープウェイで登ることができる。予定ではロープウェイを使わずに登るつもりだったが、車中泊で疲れが取れてない感じがあったため、無理せずロープウェイを利用した。
石鎚山は修験道の行場として試の鎖(74m)、一の鎖(33m)、二の鎖(65m)、三の鎖(68m)という4つの鎖場がある。まずは試しの鎖で、これを登れれば、他のも行けるっぽいのでヘルメットを装着して登った。
しかしこれがかなり怖い。腕力だけで登る箇所があるとネットで読んでいたが、その時は「そうは言ってもちょっとだけでしょ?みんな登ってるし」と思っていたが甘かった。
結構な高度感で、足をかける箇所もあるのか怪しい岩場で、無理やり腕力のみで登るのはかなり怖かった。事前情報を参考に今回は、鎖の隙間に靴を突っ込めるよう、トレランシューズを履いて行って正解だった。一般的な登山靴だと鎖の隙間に靴を入れられないはずだけど、周りはどう登っていたのか、確認する余裕は全くなかった。登るならトレランシューズをおすすめする。
試しの鎖を登りきった場所。眺めが良く祠が建っていた。
スペースはほぼないので、そのまま巻ルートとの合流地点まで降りていく。
降りきって見上げたところ。足が届かないところがあるので、ここも腕力が必要。もちろんザックは背負っている。
暫く進むと百名山っぽい景色になった。低山にはない雰囲気が遠征している感じで好きだ。この開けた次に一の鎖が待っている。
一の鎖。なんやかんやで、鎖場は6, 7割くらいの人が登ってたんじゃないかなと思う。この時はまだ「よっしゃやったるで」と思っていた。
これは二の鎖。
腕力だけで登る場所があると先に書いたが、途中で「怖い〜怖い〜」と動けなくなっているパニック気味になったオバさんがいた。夫と思われる男性が宥めるも、オバさんは一向に落ち着く様子はない。確かに下を見ると足がすくむ高さで、登るにしても足をかけられる岩の取っ掛かりも少ない。そのまま通り過ぎるしかなかったけど、その後オバさんは無事に下山できただろうか。
三の鎖は一列でないと登れないようで、登り始めるのに10分ほど待った。下から見上げている感じでは、長さと高さこそあれど、幅が狭いので逆に足場がありそうな印象だったが、それはあくまで下から見えている範囲のみの事だった。実際に登ってみると、鎖が岩から浮いてる部分があったりで鎖場の中で1番怖かった。もしパーティで行って荷物を誰かに預ける事ができるなら、空身で登った方が良い。
落ちるのだけは嫌!という気持ちだけでなんとか登りきってみると、そこはもう山頂の神社の境内で、独特の形状をした石鎚山が見えた。
まずは昼食をとり、荷物は境内の隅に置かせてもらって、岩場を歩いて最高峰である天狗岳へ行く。
ガスが掛かったり取れたり目まぐるしい天気で、シューズも既にドロドロになっているので滑らないか心配。
先程からの鎖場と比べると、この辺は余裕である。しかし道幅が狭くて人も多いので、5,6人ごとくらいで往路と復路で順番に通行していく。
岩場から山頂の神社方向に振り返った状態。右側は完全に切れ落ちていて落ちたら完全に死亡確定。左側は急勾配ながらも樹木が茂っているので、死亡は免れるかな?という具合。そして湿った岩場に泥のついたシューズでへっぴり腰。更に順番待ちで思っていたい異常に時間がかかって汗冷えしてしまい、緊張と冷えでガチガチの体で登っていた。
この写真の一番上までいかないとけない。前後にいた人たちと怖いですね〜と言いつつ登る。
なんとか登れた。下山してから知ったことだけど、後ろに写っているのが南尖峰。殆どの人がこの天狗岳で引き換えしていたので僕も引き返したが、厳密には弥山(石鎚神社があるところ)、天狗岳、南尖峰の3つのピークの総称が石鎚山であるらしいのだ。つまり石鎚山を制覇したとは言えず、面倒くさい性格の僕はもう一度登るべきでは?と考えてしまうのだけど、もう一度あの岩場はちょっとな…という思いもあってモヤモヤしてしまった。
YouTubeを見ると軽く登っている印象を受ける動画がある。僕がまだレベルが足りてないのもあるだろうし、単純に自分は高度感に特別耐性があるわけでも無いんだなとも思うし、登山に求めているものはスリルではないのかもしれない、と現在の自分の限界や価値観を考える登山だった。ちなみにヘルメットにGo Proを着けて天狗岳に挑戦したのだけど、スタートしてすぐにバッテリーが無くなって何も撮れていなかった。
境内に戻ってきた。当たり前だけど、滑落の心配のない場所というのは安心できる。
眺めているとさっきまで登っていた天狗岳がガスに隠れた。この後完全にガスって見えなくなってしまったので、登ったタイミングが良かった。
下山は鎖場も無いので全速力で歩いた。まだ歩き足りない感じがあったが、上りと同じロープウェイで下山した。
下山後は次の目的地である徳島県の剣山方面へ向かい、山間部にある温泉へ。なんて名前の温泉だったかな?
車中泊は道の駅 貞光ゆうゆう館で。近くの食堂に入ってみたが、食事は出していないとのことで夕飯はコンビニ弁当だった。
2日目の記事:徳島県の剣山
前社ヶ森・剣山・石鎚山・天狗岳 / もろみさんの活動データ | YAMAP / ヤマップ
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