久しぶりに武奈ヶ岳に登ったら熱中症でゲロった
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4月11日のこと。
滋賀県の霊仙山か横山岳に登ろうかと思っていたけど、遠いから武奈ヶ岳に登ることにした。いつもは坊村ルートなので、今回のイン谷口から登るのは初めてだ。地図を見ると分かる通り、ルートがめちゃくちゃ枝分かれしていて、YAMAPを見ても皆さん、それぞれ違うルートで周回していて、歩くスピードも違うだろうからざっと見ても所要時間がよくわからなかった。とりあえずこのルートに仮決定してみて計算してみると、6時間ほどのルートの模様で自分からすると結構ロングコースだ。
それと先日、jRO(山岳保険)とココヘリ(捜査ヘリサービス)に加入したので、今回から使用できるようココヘリの発振器をザックに装着した。
そして当日。確か土日がどちらも晴れるのは8週ぶり、と天気予報で言っていたように思う。それに天気の良い日が妻の休みと被っていて全然登山に行くタイミングがなかったので、かなり久しぶりの登山になる。なんとか9時半頃に登山口に到着し、車は登山口より少し下ったところに停めた。すごく斜め。
トイレを済ませてスタート。駐車場の隣が川になっているので、駐車場にテントを張ってのんびりしている人もいて緩やかに時間が流れている。
この辺りにブルーシートを組み合わせた巨大なテントが1張り立っていた。ホームレス…にしてはしっかりしたテントだったし、なんだったんだろう。
最近花とか植物が綺麗だなと思うようになった。
大体は左の青ガレに進むんじゃないかと思うが、何も考えずに右へ進んだ。
岩っぽいところを登る。途中マダムに「その手ぬぐいどこのですか?」と珍しい声の掛けられ方をした。普通にモンベルですよーなんて少し談笑していると、最近の週末の天気の悪さから、有給で平日に登りに来ていたと仰っていた。凄く山が好きな人なんだなぁと嬉しくなる。
絵に書いたような双葉。
シワシワの樹皮だけど触ると硬かった。
坊村ルートと違ってここまで緩やかに登ってくることができた。とはいえ、すれ違うのは下山してくる人ばかりで登っている人とすれ違わない。この辺りでもしかして逆周りで登っているのでは?と思ったが、どう回ろうと自由である。
変な木が行く手を阻む。
だいぶ登ってきた。向かいの山肌にモリモリした岩が見える。
琵琶湖が見えて気持ちがいい北比良峠という広場に付いた。2組ほどがテントを張ったり、ご飯を食べている。
そのままズンズン進んで八雲ヶ原湿原に到着。
木道は進めないので迂回する。
さらに奥にもうちょっと整備された湿原を発見。ここもご飯を食べたり、テントを張ったりしている人がいた。確かに静かでいいところだ。
そのまま八雲ヶ原湿原を進むと木デカゾーンに突入した。だいたい木がデカい。
ここだけ残雪があった。
その残雪の上は今日一番危険な道だった。
徐々に武奈ヶ岳(と思われる)が近づいてきた。ここから急登することになり思っていたよりも3倍くらいの速さで急激に山頂へ近づいた。
着いた!やはり久しぶりの晴れ間の週末だからか、結構人が沢山いる。
雪が積もっていた時はたどり着けなかったから山頂は久しぶりである。では昼ごはんにする。しかし風がかなり冷たいので、インサレーションを着て手袋をしながら食事をした。行きしなにセブンイレブンで買ったコーヒーを水筒に入れて持ってきたけど、かなり酸味しかしない味になっていた。コーヒーは酸味より苦味がある方が好きなんだけどな。
奥の方に雪山が見える、気がする。
坊村方面の眺めも良い。
食事を終えて御殿山方面へ稜線を進む。ああ、今日登ってきたルートと逆周りで進んでいたら稜線を歩きながら武奈ヶ岳が見えたのね、と気づく。それでも稜線は気持ちいい。
思いの外、ガレている道で人が全然いなかった。
水筒が落ちていた。
どんぐりの芽が出ていた。
金糞峠へ進む。
森の中を流れる沢が続く。
沢が続いたので結構下ったのかなと思っていたけど、まだこんなに高かった。ここから青ガレを下って帰る。
青ガレを下から見たところ。ザレていてズルズル滑ってしまった。もっとうまく歩けるようになりたい。。
ようやく降りてきた。16時前に車に到着したので、休憩は昼だけだったけど、やっぱり結構時間がかかった。
帰宅後、体調急変
以下は僕が医師から説明を受けた内容が含まれますが、僕は医師では無いため、情報は正確ではありません。実際に体調が優れない場合は、必ず医師に相談してください。
帰宅後、どうも胃が気持ち悪い。空腹からかな?と思って、そのまま夕飯を食べてもやっぱり気持ち悪いので、胃薬を飲んで横になっていたら急激に気持ち悪くなって吐いた。吐いているのを見られることに抵抗がない僕は、トイレに駆け込んだ僕の様子を全然見にこない妻に、半ばキレ気味に助けを求めた。吐いてる人は水とトイレットペーパーが欲しいの!と吐きながら大学で覚えた介抱術を妻に伝えた。おろろろええええぇぇ。
気持ち悪さは少しマシにはなったけどやっぱり気持ち悪い。暑い寒いを繰り返して熱が35度台から38度台まで半時間毎に変化していた。これは流石におかしい。
熱というより気持ち悪さで自分では本当に動けないので、救急車も本気で考えた。妻に救急車を呼ぶ前に確認できる窓口みたいなの探してほしいと伝え、電話してもらったところ、とりあえず一晩様子をみてみようとのことだった。気持ち悪さの波がくる度にただ耐えるのみ。しかし深夜3時頃に盛大に吐いた。水分だけしかでなかったけど。結局さっさと吐いた方が楽になるのは分かっているけど、しんどいから我慢してしまうんだよなぁ。これで気持ち悪さは大分解消されたので、朝まで寝る事ができた。
翌日12日。仕事は休んだ。丁度ミーティングが2件あったのでそれもキャンセル。フラフラのため妻に連れ添ってもらってタクシーで病院へ(ちゃんと配車依頼の時点で発熱があることは伝えた)。コロナを疑って発熱外来という隔離された病棟へ。
家を出る前は熱があったのに、病院で熱を測ったら平熱になっていた。昨日の登山のことから今に至るまでを医師に説明したところ、症状から熱中症の初期段階ではないかとのことだった。熱中症の症状として小便が濃い黄色になることがあるようで、僕の場合、登山帰宅後に小便をしたら麦茶くらいの濃さの小便が出ていて、その時はそんなことは知らないので気に止めなかった。しかし医師の説明だとこうだ。
小便は本来黄色い色をしているが、体内の排出しても良い水分で小便の黄色が薄まって、正常な状態だと薄い黄色〜透明に近い色の小便が排泄される。しかしそれが濃い黄色だったということは、余分な水分が体内になく、小便が薄まることなく排泄されている事を意味する。また暑い寒いを繰り返すのも熱中症の典型的な症状だそうだ。実はこの水分不足には思い当たるフシがあった。
登山中、ハイドレーション(ザックの中に水のタンクを入れてチューブで吸うもの)を使用していたのだけど、そのチューブがいつの間にかザックの中で折れ曲がっていたことに下山後にザックを開けた際に気がついた。そのせいで水を吸っても、いつもよりも水の出方が悪く、いつもの倍チュー!っと吸わないとまともな量が出ない。下山時の途中からは、タンクに水は残っていたのに水が出ない状態に陥っていて、僕自身は水切れしてしまったか〜と思っていた。その結果、帰宅後に確認すると2L入るタンク内には半分近くの水が残っていた。本来、僕の体重で6時間強の山行であれば汗をかくとか関係なく2L程は必要になる計算だけど、それが半分しか飲んでいなかったのだ。
一方、一番心配していたコロナと考えるには、コロナの症状が出ていないので違うと思うとの診断で安心した。希望があればPCRを受けることはできたが、受けないことにした。薬を貰って帰るまでに2時間以上経過して疲れた。僕以上に発熱外来の建物の外で待っていてくれた妻の方がよっぽど疲れただろうけど。仕事を休んで連れ添ってくれた妻には感謝感謝である。
帰宅後、処方された胃薬を飲んだが気持ち悪さは取れなくて、お粥もお供え物くらいの量しか食べられなかった。ひたすらポカリとOS-1を2Lほど飲んで寝てたけど、この日の小便は病院に行く前と、日付が変わる直前にしか出なかった。まだ全然水分が足りていないのだ。因みにポカリを買いに行ってくると薬局に行った妻はポカリを忘れ、それ以外のゼリーや栄養ドリンクを買ってきたので、もう一度買いに行ってくれた。
13日。大分マシにはなったけど本調子ではないので今日も仕事を休んだ。昼過ぎには小便も徐々に出るようになり、食事も取れるようになってきて、寝付けなくなってきたので漫画サターンリターンの既刊全部読んでいたら1日が終わった。夜には普通に食べれるようになっていたので、翌14日は仕事に復帰。
今の仕事をし始めてから病気で寝込んだのは土日に1度だけだったので、平日にこんなに体調が悪くなったのは初めてだった。しかも水分持っているのに水分不足に陥るという、ただただ自分の不注意という情けない原因。山の中や運転中に倒れなかっただけ本当に良かったと思う。正直、この一件でかなり山へのテンションは下がってしまった。山が嫌いになったとかではなくて、改めて少しの油断が命取りになるんだなと思った。また登りたい!と強く思うまで仕事に集中しようと思う。登山をする方、どうぞお気をつけください。
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